「色」は、私たちにさまざまな影響を与えており、生活の中に溶け込んでいます。
今回は「色」とは何なのか、色の基本について学んでいきたいと思います。
色の分類
色を大きく分けると、「有彩色」と「無彩色」に分けられます。
有彩色
「有彩色」とは「赤」「青」「黄色」などの、色味のある色のことです。
無彩色
「無彩色」とは「黒」「灰色」「白」などの、色味のない色のことです。
色相
「有彩色」は色味の違いによって分別され、この色味の違いのことを「色相」といいます。
そして、色相の変化を円環状に並べたものを「色相環」といいます。
色相環を見ることで、基準となる色(キーカラー)がどのような位置関係で配列されているのかが分かります。
補色
色相環でキーカラーの向かい合う色を「補色」といいます。
例えば、黄色の補色は「青紫」、赤の補色は「青緑」になります。
反対色
色相環でキーカラーの補色と補色の両隣に位置する色を「反対色」といいます。
例えば、黄色の反対色は「紫」「青紫」「青」の3色になります。
「補色」も「反対色」も色味(色相)の差が大きいので、人目を惹きつける主張の強い配色になります。
類似色
キーカラーとその両隣の色3つは、「類似色」と呼ばれます。
類似色は、色相が近いのでまとまりのある印象になります。
色相と配色
色相環から離れた位置にある色による配色は、力強い印象になります。
鮮やかすぎる色同士の対比は、「ハレーション」と呼ばれる色の境目がチカチカしてしまう現象を引き起こしてしまいますので注意が必要です。
色の情報が多すぎて、目が疲れてしまう
色相環から近い位置にある色による配色は、まとまった印象になります。
配色を決めるときに参考にするといいですね
色の温度
色は、暖かさや寒さを感じることができます。
温度の感じ方で分別した色は、「暖色」「寒色」「中性色」に分類できます。
暖色
「暖色」は、赤・橙・黄色などの赤系の色を指します。
「暖色」は「興奮色」でもあり、自律神経を刺激し気持ちを高める効果があります。
寒色
「寒色」は、青・緑などの青系の色を指します。
「寒色」は「沈静色」でもあり、精神を安定させリラックスさせる効果があります。
中性色
暖色にも寒色にも分類されない、温度を感じさせない色は「中性色」と呼ばれます。
色の三属性
色の世界は「色相」「明度」「彩度」の3つの組み合わせでできています。
色相
「色相」とは、色味の違いのことを表します。
明度
「明度」とは、色の明るさ・暗さのことを表します。
最も明度が高い色は「白」、最も明度が低い色は「黒」になります。
彩度
「彩度」とは、色の鮮やかさのことを表します。
最も彩度が高い色は「純色」と呼ばれ、最も彩度が低い色は「無彩色の灰色」になります。
色の錯覚と対比
色を構成する要素は「色相」「明度」「彩度」ということが分かりました。
次は、その3つの要素が与える「色の錯覚」について見ていきます。
色相対比
突然ですが、下の画像のAとBのオレンジ色は、どちらがより赤く見えますか?
おそらくAは黄色っぽく、Bは赤っぽく見えるのではないでしょうか。
実はAとBは同じ色なんです。
このように、周りの色の影響を受けて色相がずれて見えてしまう現象を「色相対比」と呼びます。
補色対比
下の画像のAとBの赤色は、どちらがより鮮やかに見えますか?
おそらく、Bの方がより鮮やかに見えるのではないでしょうか。
こちらの画像もAとBは実は同じ色です。
Bの赤と背景色の緑は補色関係にあります。
隣合う色が補色関係の時に、彩度が高く見える現象を「補色対比」と呼んでいます。
明度対比
下の画像のAとBの灰色は、どちらがより明るく見えますか?
おそらく、Bの灰色の方が明るく見えたのではないでしょうか。
しかし、こちらの画像のAもBも実は同じ色をしています。
このように色の周りにある他の色の影響を受けて、本来の色よりも明るかったり、暗く見えたりする現象のことを「明度対比」と呼んでいます。
彩度対比
下の画像のAとBの赤色は、どちらがより鮮やかに見えますか?
おそらく、Aの方が鮮やかに彩度が高く見えるのではないでしょうか。
しかし、こちらの画像のAもBは同じ色をしています。
このように、色の周りがが高い彩度だと色がくすんで見え、色の周りが低い彩度だと色鮮やかに見える現象のことを「彩度対比」と呼んでいます。
トーン
「明度」「彩度」が同じ色相のグループを「トーン」といい、「トーンマップ」として表現されています。
トーンの色調域
トーンは色の配合の度合いによって以下のように大きく分類されます。
純色
「純色」は無彩色が混じってない色のことで、最も彩度の高い色になります。
明清色
「明清色」は純色に白を混ぜた色のことで、明度が高い色になります。
暗清色
「暗清色」は純色に黒を混ぜた色のことで、明度が低い色になります。
「明清色」と「暗清色」は、まとめて「清色」と呼ばれます。
中間色
「中間色」は純色に灰を混ぜた色のことで、濁った色になります。
トーンのイメージ
トーンは12個あり、以下のイメージに分類されています。
ペールトーン(Pale Tone)
「ペール」は「薄い」という意味で、視認性が低いことから背景などによく使われます。
ライトトーン(light tone)
「ライト」は「浅い」という意味で、「パステルカラー」とも呼ばれます。
ブライトトーン(bright tone)
「ブライト」は「明るい」という意味で、「マカロンカラー」とも呼ばれています。
ストロングトーン(Strong Tone)
「ストロング」は「強い」という意味で、ビビッドに近い色になります。
ディープトーン(Deep Tone)
「ディープ」は「濃い」という意味で、秋冬のイメージによく使われます。
ビビッドトーン(Vivid Tone)
「ビビッド」は「鮮やかな」という意味で、ロゴなどにも使われる「純色」です。
ライトグレイッシュトーン(Light Grayish Tone)
「ライトグレイッシュ」は「明るい灰色がかった」という意味で、一般的に「くすみカラー」といえばこのトーンです。
ソフトトーン(Soft Tone)
「ソフト」は「やわらかい」という意味で、少し濁りのある印象になります。
グレイッシュトーン(Grayish Tone)
「グレイッシュ」は「灰色がかった」という意味で、「アースカラー」とも呼ばれます。
ダルトーン(Dull Tone)
「ダル」は「鈍い」という意味で、濁りがありながら色味も感じる色です。
ダークトーン(Dark Tone)
「ダーク」は「暗い」という意味で、濁りのない深みのある色です。
ダークグレイッシュトーン(Dark Grayish Tone)
「ダークグレイッシュ」は「暗い灰色がかった」という意味で、ほぼ黒に近い印象です。
色の三原色
色の三原色には「光の三原色」と「色の三原色」があります。
光の三原色
「光の三原色」はRGB【赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)】で作られる色。
3つの色は、混ざると明るくなり白に近づいていく混色方法で、「加法混色」と呼ばれています。
テレビ画面やパソコンのモニターなどは、「光の三原色」で作られています。
色の三原色
「色の三原色」はCMYK【シアン(Cyan)・マゼンタ(Magenta)・イエロー(Yellow)】で作られる色。
3つの色は、混ざると暗くなり黒に近づいていく混色方法で、「減法混色」と呼ばれています。
チラシなど印刷で出されるものは、「色の三原色」で作られています。
色の基本が学べる本
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まとめ
最低限知っておきたい色の基本のをまとめました。
色が与える影響について詳しく知ることで、デザインやイラストに活かせることができます。
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