屋久島といえば縄文杉が有名ですが、白谷雲水峡も『もののけ姫』で人気になりました。
屋久島のツアーはいろいろあるのですが、縄文杉と白谷雲水峡は別日に組むか、1泊するのが普通です。
しかし、ツアーの中には、縄文杉と白谷雲水峡の日帰りツアーというものが存在。
1日で2つとも行けたら、スケジュールに余裕ができていいかも!と思いますよね。
実は私はこのお得な欲張りツアーに参加したのですが、その体験が地獄だったので、ここに戒めとして詳細を残します。
これからどのツアーに参加するか悩んでいる人の、少しでも参考になればと思います。
縄文杉と白谷雲水峡 日帰りツアーのコース内容
「縄文杉と白谷雲水峡 日帰りツアー」は、その名の通り、1日で縄文杉と白谷雲水峡を巡ることができるトレッキングツアーです。
初心者なのでガイドさん付きを選びました。
予約したのは、このオプショナルツアーです。
「縄文杉日帰りトレッキングコース」白谷雲水峡~縄文杉~荒川登山口(HIS)
まず、白谷雲水峡入口から入り、苔むす森・太鼓岩を巡ります。
辻峠を越えた後、縄文杉に向かって、次は荒川登山口へ帰るというものです。
このツアーは、山を2つ登って降りるようなもので、登山初心者や高齢の方には決しておすすめされないツアーです。
そしてこのツアーは、案内できるガイドさんが3人しか存在しない、しかも地元のガイドさんも滅多にやらない、超過酷ツアーだったのです。
トレッキング詳細
ここからは、私の実体験をお伝えします。
登山初心者&運動不足の夫婦2人で参戦してきました。
ガイドさんは、トレッキングツアーこだまさん。
4:40 お迎え
出発は暗闇の中、早朝ホテルまで車でお迎えに来てくれます。
マニアックなツアーということで、参加者は私たち夫婦2人だけです。
おかげさまで天気がよくて、空気が澄んでいたので星空がとても美しかったです。
5:00 白谷雲水峡入口
山道を車で走ること約20分、白谷雲水峡入口へ到着。
まだ辺りは真っ暗なので、ヘッドライトの明かりを頼りに進みます。
途中、白谷小屋で食事とトイレ休憩を取ります。
テーブルとイスもあります。
お弁当は、ホテルで準備してもらいました。
ここからは、そこまで急な坂になっている場所はなく、体力的にも余裕です。
6:30 苔むす森
山道を進むこと約1時間半、ようやく苔むす森に到着しました。
山のきれいな空気とマイナスイオンで癒されます。
ガイドさんがなぜかこだまを持参してくれていたので、記念撮影。
苔むす森を通過すると、次は太鼓岩に向かいます。
太鼓岩に向かうには、なかなかの急斜面を登らなくてはいけません。
登ったあとは、来た道を帰ってくることになるので、重たい荷物を置いて太鼓岩へ向かうことになりました。
ガイドさんの知恵袋ですね。
7:30 太鼓岩
息切れしつつも、太鼓岩に到着。
青空と屋久島の山々が一望できる、絶景ポイントです。
この向こう側に見える山の中に縄文杉があるので、そこまで行かなくてはなりません。
気が遠くなるほど遠い…。
写真撮影を楽しんだら、荷物を置いていた場所に戻り、辻峠へ。
この道は下りなので、ひょいひょいといけますが、油断すると膝にきます。
8:50 楠川分れ
ついに、 楠川分れに到着。
ここから半分トロッコ道を進んだら、ようやく縄文杉の登山スタート地点に行くことができます。
まだ始まりにも立てていないのに、この時点で一山登っているので、けっこうお疲れ気味(笑)。
途中、お手洗い休憩があります。
トイレはバイオトイレで、トイレットペーパーもついています。
トロッコ道は半分とは言え、けっこう長い。
このトロッコ道を帰りも歩かなければならないなんて…とゾッとしながら歩きます。
頑張って進んでいくと、ようやく登山入口が見えてきます。
10:00 大株歩道入口
縄文杉への登山のスタート地点が、大株歩道入口です。
ここでは再びトイレ休憩ができます。
この時点で完全にエネルギー不足になっていたので、食事休憩を先に取ることにしました。
ガイドさんがお味噌汁を入れてくれて、ほっこり。
休憩が終わると、いよいよ登山がスタート。
「この2人、体力全然ないな。」と判断したのか、ここで重たい荷物を置いて登ることになりました。
重たい荷物がかなり負担になっていたようで、ナイス判断のガイドさん。
肩が軽いので、めちゃくちゃ登りやすい。
さらに、出発前はいらないと思っていたトレッキングポールも、ガイドさんが渡してくれました。
11:00 ウィルソン株
1時間ほど進むと、ウィルソン株に到着。
撮影するのがなかなか難しいんですが、ある角度から撮影すると切り株がハート型に見えるフォトスポット。
いろいろな杉と出会いながら、縄文杉への道を突き進みます。
ここを過ぎてからは、ガイドさんの説明を聞くどころではなく、歩くのに必死でした。
ガイドさん、あんまり話聞いてなくてごめんなさい。
途中、体力の限界を迎えた学生さんに遭遇し、ガイドさんが痛み止めをあげていました。
ガイドさんは「バファリンプレミアム」が必須アイテムらしいです。
「いや本当、その足の限界、分かるわ~」と思いながら、頑張って歩きます。
12:30 縄文杉
なんとか無事、自分の足で縄文杉へたどり着きました。
現在の縄文杉は触ることができないので、遠くから鑑賞。
これが、縄文杉かぁぁぁ!!!
縄文杉の感動もありますが、何より疲れがすごい。
靴下を脱いで足の裏をマッサージして、とにかく少しでも体力を回復させなくては。
これからあの来た道をまた、戻らなくてはならないのだから…。
縄文杉を充分に目に焼き付けたら、山を下ります。
登りよりは多少楽なのですが、急な下りは足を踏み外しそうになったりしてとても危険です。
この下りで、ふくらはぎがパンパンに。
トレッキングポールがなかったら、もっとヤバイ状況だったかもしれません。
ヘトヘトになりつつも、大株歩道入口へ戻ってきました。
15:00 トロッコ道
少し休憩を挟んだら、ここから地獄の始まり。
約8kmにも及ぶ、平坦なトロッコ道を歩み続けるのです。
ここからは自分たちのペースで歩いていいよと言われたので、ガイドさんの前を歩きます。
でもでも、17:45 の最終バスに間に合わせなくてはいけないので、けっこう早歩き。
この時点で、体力はすでに10%くらいしか残っていません。
未だかつてないほどの足の裏の激痛…!
もう歩けない…そう思いながらただひたすらに無言で歩き続けます。
足の裏が最強に痛い…人生で一番痛い。
ここで、見かねたガイドさんからご提案。
この先に沢があるので、そこで足を冷やしてから行こう、とのこと。
「それ、行く。絶対行く」と決心して、頑張って歩きます。
16:30 沢
足の激痛に耐えつつ、沢に到着。
冷たい水に足をつけると、めちゃくちゃ気持ちいい~天国~。
ガイドさん、連れてきてくれてありがとう。
体力3%くらいしか残ってなかったけど、足冷やし効果で20%まで戻りました。
少しやる気を取り戻したので、再び歩き始めます。
しかし、10分くらい歩いたらまた足の痛みが戻ってきました。
「疲労骨折してるんじゃないの?」と思うほど痛い。
トンネルが見えてきたら、ゴールが近い合図です。
終わりが近いのが嬉しすぎて、疲れてるけど自然と早足に。
17:30 荒川登山口
バス出発の15分前、ギリギリで荒川登山口に到着しました。
ついに、歩き切りました。
歩いた時間は約12時間、歩数は約40,000歩。
もう何もする気力がないけど、達成感に満ちていました。
17:45 バス
バスのお金をお支払いしたら、バスに乗り込みます。
途中ヘタってた学生さんも、なんとかギリギリ帰ってこれたようです。
バスの中はすぐ靴を脱いで、ぐったり…。
本っっっ当に疲れました。
18:20 屋久杉屋久杉自然館
バスを降りたら、屋久杉自然館前でガイドさんの手配した車に乗り換え。
あの道を歩いた後に、車を運転するだと…?
体力ありすぎる。
尊敬しかありません。
ホテルまではけっこう遠いので、あたりも真っ暗で眠りに落ちました。
19:00 ホテル
あっという間にホテルへ到着。
本当に長い長い1日でした。
ガイドさん、ダメダメな夫婦に付き合ってくださりありがとうございました。
即お風呂に入って、足をモミモミしました。
着圧タイツ持ってくればよかった
帰宅後
屋久島を離れ、自宅に帰ってきたあとは、激しい筋肉痛が襲います。
旅行後のお休みは、長めに取っておいてくださいね。
教訓とまとめ
おそらく、縄文杉と白谷雲水峡を別の日に行っていたら、ここまでひどい足の痛みになることはなかったのでは、と思います。
しかも、体力に自信があるわけでもない初心者が行くべきツアーではありませんでした。
このツアーを見つけても、初心者の方は手を出さないのが無難です。
縄文杉と白谷雲水峡に行くときは山小屋に泊まるか、別日でスケジュールを組むようにしましょう!!
行く順番は、白谷雲水峡を先にすべきです。
白谷雲水峡で足慣らしをして、縄文杉に行くのがいいと思います。
先に縄文杉から行ってしまうと疲れ果ててしまって、体力が残せません。
また、白谷雲水峡すら完歩できない人は、縄文杉へ行くことはできません。
まとめますと、縄文杉はめちゃめちゃしんどいよ!ってことです。
体力を過信せず、時間にゆとりを持ってツアーに参加しましょう。
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