卵巣がんの手術を受けてから約5か月、遺伝子検査を受けました。
検査結果が出るまでの4週間は、
「BRCAはどうかな」
「何か見つかるかな」
「娘に遺伝するものだったらどうしよう」
と、やっぱり少しドキドキしていました。
そして、今回ようやく出た私の遺伝子検査の結果を聞いてきました!
私が遺伝子検査を受けた理由

私が遺伝子検査を受けようと思った一番の理由は、娘への遺伝があるのか知りたかったからです。
私は40代前半で卵巣がんになりました。
さらに、父には男性乳がんの既往歴があります。
そのため、
「こんなに若くして卵巣がんになったのは、遺伝性かもしれません」
と、担当医師に伝えられていました。
もちろん、若くしてがんになったからといって、必ず遺伝性というわけではありません。
遺伝子検査を受けることになってからは、
「今回の卵巣がんは、遺伝が関係しているのでは?」
と、すっかり思い込んでいました。
Invitae Cross-Cancer 71遺伝子パネル検査になってた

より多くの遺伝子を調べる検査について説明を受け、私が選んだのは「Cross-Cancer 70遺伝子検査パネル」です。
しかし、結果を聞きに行ったら、解析対象遺伝子が追加され、最終的には71遺伝子の検査をしてくれていました。
最終的に私が受けたのは、
Invitae Cross-Cancer 71遺伝子パネル
ということになりました。
検査費用は、102,000円(税別)のままで変わりません。
遺伝子検査の結果
まず、一番気になっていた結果です。
結果報告書には、
「遺伝性乳がん卵巣がんの原因遺伝子(BRCA1、BRCA2)を含めて、
明らかに疾患と関連する病的なバリアント(変異)は見つかりませんでした」
とありました。
BRCA1・BRCA2に病的なバリアントは見つからなかった
ということはつまり・・・
遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)ではない
ということ!!!
やっぱり、娘への遺伝が一番気になっていたので、めちゃくちゃ嬉しかったです。
検査を受ける前は、
「きっとBRCAに何かあるんだろうな」
と思っていたくらいなのに、結果はまったく違いました。
そして、結果を聞いてみると……
「あれ?」
というくらい、あっさり(笑)。
4週間も待っていたので、もっと何かドラマチックな結果が出るのかと思っていたのですが、
「病的な変異は見つかりませんでした」
で終了。
ちょっと拍子抜けしました(笑)。
でも、あとからじわじわと、
「HBOCじゃなかったんだ。よかった……」
「HBOCだったら、他のがんリスクもめっちゃ上がるし…」
という安心感が出てきました。
CHEK2にVUSが見つかった
「病的な変異はなかった」と安心したところで、1つだけ、バリアントが見つかった遺伝子項目がありました。
| 遺伝子 | バリアント | 分類 |
|---|---|---|
| CHEK2 | c.886G>T(p.Asp296Tyr) | Uncertain Significance(VUS) |
詳しく難しく言うと、
CHEK2遺伝子のc.886番目のグアニン(G)がチミン(T)に変わる塩基置換で、その結果、アミノ酸の296番目がアスパラギン酸(Asp)からチロシン(Tyr)に変わるミスセンス変化(google AIいわく)。
VUSは、日本語では「意義不明変異」と呼ばれます。
遺伝子に変化は見つかったけれど、それが病気の原因になるものなのか、現時点では判断できない、ということだそう。
遺伝子カウンセラーさんからも、
CHEK2のバリアントが検出されましたが、病原性については現時点では不明
と説明されました。
CHEK2って、がんと関係ある?
CHEK2について調べると、乳がんなどとの関連が知られていることが分かりました。
また、今回の結果説明では、CHEK2に病的バリアントがある場合の発症リスクとして、
という数字も記載されていました。
ただし、これはCHEK2の「病的バリアント」がある場合の話です。
私に見つかったのは、あくまでもVUS。
現在のところ、病的なのかどうか分かっていません。
さらに、今回のCHEK2のVUSについて、卵巣がんとの関係が明らかになっているわけでもありません。
なので、CHEK2のVUSがあった=今回の卵巣がんの原因だった、ということではないのです。
でも、将来はどうなるんだろう?

ここは、結果を聞いてから私が個人的に気になったところです。
現時点では、
CHEK2のこのVUSが卵巣がんと関係しているとは分かっていない
ということですよね。
でも、今後研究が進んで、同じバリアントを持っている人のデータが増えたらどうなるんだろう?
例えば、
「卵巣がんになった人の中に、このCHEK2の変化を持っている人が思ったより多かった」
というデータが積み重なれば、将来的にこのVUSの分類や、遺伝子と病気との関係について新しいことが分かる可能性もあります。
もちろん、本当にそうなるかは分かりません。
今の段階で、「やっぱり遺伝だった!」とは全く言えません。
ただ、
「今は分からないけれど、医学が進めば分かることもあるのかもしれない」
と思いました。
そう考えると……
また娘のことが気になってしまいます(笑)。
「娘に遺伝するの?」という心配

今回の検査を受けた最大の目的は、ここでした。
今回の検査では、BRCA1・BRCA2を含め、明らかに疾患と関連する病的バリアントは見つかりませんでした。
これは、私にとって本当に嬉しい結果でした。
ただし、
「遺伝的な要因が一切ない」
と証明されたわけではありません。
今回調べた71遺伝子の範囲では、明らかな病的バリアントが見つからなかった、ということです。
また、CHEK2についてはVUSが見つかりましたが、現時点では病的意義が不明です。
今回の結果には、
「今回の検査結果により、発端者様の血縁者様は、無償血縁者解析プログラム(VUS resolution program)の対象外です」
という記載もありました。
これは、今回見つかったVUSについて、血縁者を調べてその意味を確認するための無償プログラムの対象にはならない、ということでした。
なので、現時点では、
「CHEK2のVUSがあるから娘にも遺伝する」
と考えるものではありません。
それでも、将来このVUSについて新しいことが分かったら……。
そのときは、また娘のことを心配するのかもしれません。
遺伝子検査って、「白黒はっきりさせる検査」だと思っていたけれど、実際には「今の医学で分かっていることを知る検査」でもあるんだなと感じました。
実は「遺伝のせい」にできると思っていた
今回の結果を聞いて、もうひとつ自分自身について気づいたことがあります。
私は、卵巣がんになったことを、遺伝のせいにできると思っていたんです(笑)。
40代前半で卵巣がんになって、
「父も男性乳がんだったし、母もがん家系だし、きっと遺伝なんだろう」
と思っていました。
「私の生活が悪かったから、とかじゃなくて、遺伝だったんだ」
と分かれば、ある意味で納得できるような気もしていました。
もしBRCAの病的変異が見つかっていたら、
「やっぱりそうだったんだ」
と、妙に納得していたと思います。
でも、今回の検査ではBRCA1・BRCA2に病的変異はありませんでした。
だからといって、
「じゃあ生活習慣が原因だったんだ!」
という話でもありません。
がんは、遺伝的な要因だけでなく、年齢、体質、環境、偶然起こる遺伝子の変化など、さまざまな要因が関係しています。
「遺伝じゃなかった=自分の生活が悪かった」
ということでは、もちろんありません。
でも、遺伝子検査を受けたことで、
「遺伝のせいで卵巣がんになったんだろうな」
と決めつけていた自分に気づきました。
これからは生活習慣も、もう一度見直したい

今回の結果を聞いて、
「じゃあ、これからは自分の生活も少し見直してみようかな」
と思うようになりました。
食事、睡眠、運動など。
もちろん、
「これをすれば卵巣がんにならない!」
というものがあるわけではありません。
今回の卵巣がんの原因が何だったのかも、私には分かりません。
それでも、せっかく病気を経験したのだから、これからの自分の体をもう少し大切にしてあげようと思いました。
病気になった理由をひとつに決めることはできなくても、これからできることは少しずつやっていきたいです。
もっと「がんになりやすい体質」も知りたくなった
今回の検査は、私の場合、
「遺伝性のがんにつながるような明らかな病的変異があるか」
を調べるための検査でした。
そのため、「じゃあ私は、がんになりやすい体質なの?」という疑問について、全部分かるわけではありませんでした。
そう考えると、
「もっと自分の体質について知りたい!」
という気持ちも出てきました。
そこで最近気になっているのが、市販の遺伝子検査キット。
病院で受ける遺伝学的検査とは目的や検査内容が違うので、同じものとして考えることはできませんが、
「自分の体質についてもう少し知りたい」
という意味では、ちょっと興味があります。
今度、市販の遺伝子検査キットもやってみようかなと思っています。
こちらについては、実際に受けることがあれば、また別の記事で書いてみたいです。
10万円超えの遺伝子検査、受けてよかった?

今回の検査費用は、税抜きで102,000円。
決して安くありません。
受ける前は、
「ここまでお金をかけて調べる必要があるのかな?」
と悩みました。
それでも、私は今回、受けてよかったと思っています。
VUSが出たことで、
「なんだかちょっとモヤっとするなぁ(笑)」
という部分は正直あります。
「完全に何もありませんでした!」
とはならなかったからです。
でも、それ以上に、BRCA1・BRCA2に病的な変異が見つからなかったことが、本当に嬉しかった。
娘への遺伝が心配だった私にとって、これは大きな安心材料になりました。
検査を受けずに、
「もしかしたらBRCAだったのかな」
「娘にも遺伝するのかな」
とずっと考え続けるよりも、今の時点で分かることをきちんと調べられた。
そう思うと、私にとっては10万円以上を払って受ける価値のある検査でした。
もちろん、すべての人に同じ検査が必要というわけではありません。
私の場合は、
若くして卵巣がんになったこと、家族歴があったこと、そして何より娘への遺伝が気になっていたこと。
そういった理由があったからこそ、受けることにしました。
これからも経過観察を続けます
今回の遺伝子検査で、すべての疑問が解決したわけではありません。
CHEK2のVUSについても、今後研究が進めば何か新しいことが分かる可能性があります。
そのときは、そのときでまた考えればいい。
今は、
「BRCA1・BRCA2に病的な変異はなかった」
という結果を安心材料として受け止めたいと思います。
そして、定期的な経過観察を続けながら、自分の生活や体のことも少しずつ見直していくつもりです。
卵巣がんになった理由をひとつに決めることはできないけれど、これから元気に娘と過ごしていくために、今できることをやっていこう。
今はそんなふうに思っています。
関連記事
まとめ
最後に、今回の結果を簡単にまとめます。
| 項目 | 結果 |
|---|---|
| 検査 | Invitae Cross-Cancer 71遺伝子 |
| 費用 | 102,000円 |
| 結果まで | 約4週間 |
| BRCA1 | 病的バリアントなし |
| BRCA2 | 病的バリアントなし |
| 明らかな病的バリアント | なし |
| CHEK2 | VUS(意義不明変異)あり |
| CHEK2の変異 | c.886G>T(p.Asp296Tyr) |
| 血縁者の無償VUS解析 | 対象外 |
私の場合、BRCA1・BRCA2に病的な変異は見つかりませんでした。
CHEK2にはVUSがありましたが、現時点では病的意義は不明です。
「高かったけど、受けてよかった?」
と聞かれたら、私は、
「うん。受けてよかった!」
と答えます。
VUSという、ちょっとしたモヤモヤは残りましたけどね(笑)。
でも、娘への遺伝が一番心配だった私にとって、BRCA1・BRCA2に病的な変異がなかったことを知れたのは、本当に大きかったです。



コメント